西の聖地、氷ノ山山頂へ。
360°のパノラマビジョンに涙が出そうになる。
本来人間という生き物は自然の一部なはず。しかし、大自然の中に入り込むと僕達は明らかに不自然な存在に感じる。
僕達人間は既に自然から隔離されているのかもしれない。
自分勝手を貫く人が、結果孤独に陥るように、人間は自然界の嫌われ者になってしまったようだ。
「文明化した人間は静止の性向を喪失しているので、野性の世界に受け入れてもらうためには、まず沈黙を学ばなければならない。風と合体し、風景の色や匂いと同化し、自然のテンポにあわせてアンサンブルを作らねばならない。」
(アイザック・ディネーセン著 アフリカの日々 より)
ふと先日読んだ本の一行が頭をよぎる。
僕は頭の中のお喋りを止めて、自然の声に耳を澄ませてみた。
5分後・・・何も聞こえない。
10分後・・・腹が減った・・・
15分後・・・尻が冷たい・・・
僕は雑念の塊だと気づく。
まだまだ修行が足りないようだ。

人間が自然と共生できる僅かな可能性を信じて、この世界での自分の役割を探していこうと思います。
なんとなく見えている輪郭。でもそれはふと目を離すたびに形を変える。