AM9時。
ここは兵庫県のとあるゲレンデ。
僕は友人の太田君とひざしぶりにスノーボードに出かけ、朝一のリフトに乗っている時の事だ。
たわいもない話を二人でしながら山頂を目指していたその時、太田君がまばたきをしながら呟いた。
「今視界の片隅で、ゴムボートに乗った人が猛スピードで駆け抜けていった・・・気がする・・・」
まてまて太田君。
こんな朝一からそんなハードコアな人は居ないし、ましてや今日はアイスバーン。こんな急斜面をコントロールの効かないゴムボートみたいなので滑り降りたら間違いなく最低ライン骨折である。
「太田君・・・最近疲れてるんじゃないのか?きっと錯覚だって」
「いや・・・でも確かに・・・」
そんな事を言いながら、久しぶりのスノーボードにテンションがあがり、楽しくゲレンデを満喫して2時間が経過した頃、リフトの上で太田君が今度は叫んだ。
「ほらっほらっ来た!!!」
こんなにテンションが上がっている太田君を見るのは、中学時代友人の梅澤君の家で借してもらうエロ本を選別していたとき以来だ。
そして、太田君の指差す方向を見てみると、うつぶせの状態で猛スピードでアイスバーンを頭から弾丸の如く滑り降りてくるオッサンがいるではないか!
「・・・・これは夢か・・・」
(言葉で表現するのは難しいので映像は太田君のブログを!)
http://blog.livedoor.jp/holiday428/?blog_id=2571638後で調べてみると、エアボードという名前の乗り物らしく最近人気が出てきたらしい。
僕達はマイペースでスノーボードを楽しんでいる。弾丸のオッサンは命を懸けるとも言わんばかりに頭から氷の上を滑り降りていく。
同じゲレンデに居ても、僕達とオッサンでは世界の見え方がまるっきり違うのだ。
ものの見方によって、人の数だけこの世界は存在する。
見方という点に関して、この女性を僕は紹介したい。
「ナディア コマネチ氏」である。
彼女が活躍したモントリオールオリンピックは33年前。ルーマニアの白い妖精と呼ばれたコマネチは当時14歳の美少女であったが、彼女が名声を得たのはそのルックスの美しさによってではなく、体操競技で史上初の10点満点を出した完璧な技能によってである。
当時のルーマニアは社会主義国家でチャウシェスク大統領の独裁政権下にあった。コマネチの満点演技を見た世界中の人々は、国策で育成されたロボットのような印象を抱いた。
後に彼女は重圧と管理から逃れるためにアメリカに亡命までしている。
彼女の人生と冷戦時代の暗い過去を持つルーマニアの歴史を考えると決して笑えるものではない。
しかし、この女性の見方を変えて接した一人の男がいる。
巨匠 北野武氏である。
彼はコマネチのユニフォームの股間部分をフォーカスし、伝説の一発ギャグ「コマネチ」をあみ出した。
現代の人々は、彼女の人生とは無関係に「コマネチ」=ユニーク寄り と解釈するのが妥当であろう。
良いか悪いかは置いておいて、ネガティブなイメージも見方によりポジティブなイメージに変えることが可能であることを忘れてはならない。
僕達が物事の見方を変えれば、この世界は一夜で変わる。
全く関係ないですが、モデル荻野ショウタさんのコンポジを撮影させていただきました。

posted by YO-HEY!! at 18:17| 兵庫 ☁|
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