2009年01月30日

山と沈黙

標高1500m、天候快晴。

西の聖地、氷ノ山山頂へ。

360°のパノラマビジョンに涙が出そうになる。

本来人間という生き物は自然の一部なはず。しかし、大自然の中に入り込むと僕達は明らかに不自然な存在に感じる。

僕達人間は既に自然から隔離されているのかもしれない。

自分勝手を貫く人が、結果孤独に陥るように、人間は自然界の嫌われ者になってしまったようだ。


「文明化した人間は静止の性向を喪失しているので、野性の世界に受け入れてもらうためには、まず沈黙を学ばなければならない。風と合体し、風景の色や匂いと同化し、自然のテンポにあわせてアンサンブルを作らねばならない。」
(アイザック・ディネーセン著 アフリカの日々 より)

ふと先日読んだ本の一行が頭をよぎる。

僕は頭の中のお喋りを止めて、自然の声に耳を澄ませてみた。

5分後・・・何も聞こえない。

10分後・・・腹が減った・・・

15分後・・・尻が冷たい・・・

僕は雑念の塊だと気づく。

まだまだ修行が足りないようだ。

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人間が自然と共生できる僅かな可能性を信じて、この世界での自分の役割を探していこうと思います。

なんとなく見えている輪郭。でもそれはふと目を離すたびに形を変える。





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2009年01月16日

サラブレッドの息子はサラブレッド なのだろうか?

先日、とある喫茶店で「ハゲしいな桜井クン」という漫画を読んだ。

若ハゲに悩む学生、桜井君の過激な生活を綴った青春コメディー漫画である。

そして、今日友達の親父さんがこんな事を言った。

「いやー遺伝子ってヤツは凄いぞ!歳をとるにつれて体系はもちろん、趣味や考え方まで似てくるから。」


僕の頭の中に、桜井君のイマジネーションが一瞬よぎった。
桜井君も遺伝子により早くに髪の毛を失ってしまったのだろうか?

ここで、自分勝手を承知で僕の身内を紹介しようと思う。


実の父・・・         ハゲている・・・(脳天から)

父方のお爺ちゃん(故)・・・ ハゲている・・・(全体的に)

母方のお爺ちゃん・・・    ハゲている・・・(全体的に)

母型の叔父さん・・・     ハゲている・・・ (満遍なく)

僕・・・           まだハゲてはいない。


この先・・・僕もきっとハゲ散らかすだろう・・・

そう・・・僕はサラブレッドと呼ばれる存在である。

「サラブレッド・・・」 いい響きだ。


しかし、ハゲ散らかしたとしても臆する事はない。

僕の先生、ダライラマ14世も散らかしておられるし、世界のジダン選手も若くにして散らかしておられる。

ちなみに西武ライオンズを日本一に導いた渡邉監督もハゲ散らかしておられる。(日本シリーズ優勝後のインタビューで帽子を取った時に始めて知った、サプライズ的出会いに僕も脱帽。)

こういったもの凄いパワーの人たちが、散らかしておられると、なんだかチャーミングに見えてしまうのは僕だけだろうか。

外見は、もちろん人の器を測る物差しにはならないが、完璧な容姿の持ち主より、どこか一つ抜けている方がなんだか親近感が沸く気がする。

笑う子供の歯が一本抜けている姿を見たとき、余計に可愛くなってしまうあの感情に似ているのかもしれない。

なんだか微笑ましい。

そんな事を考えていたら、ポツリと独り言を呟いていた。


「サラブレッドか・・・ 悪くないね・・・」

ポジティブ解釈!受け入れ完了。


明日、育毛剤を買いに行こう。

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2009年01月15日

抱きしめてトゥナイト

雪が降るのを楽しみにしていたけど、降りすぎて除雪に泣かされる。

期待を大きく上回る出来事は全く期待どおりではないことにこの歳になって気づく。

宝くじが期待以上に当たった人が不幸になると言われるのはこれと同じかもしれない。(僕は幸せになる自信がある・・・)

僕が雪が降ってほしかった一番の理由は夜の景色だ。雪が深深と降った後は晴れの日が待っている。そして、その夜には月が出る。

僕が今住んでいるのは、とある田舎の片隅。夜中になれば人の気配や灯火はなく、海底へ引きずり込まれるような深い闇に覆われる。

しかし雪が降ると、その景色が変わる。
朝の露に濡れる蜘蛛の糸のように細い月光を、世界を白く覆いつくした雪が精一杯跳ね返す。

普段は月光は闇に吸い込まれてしまうが、この時だけは降り積もった雪に全て反射する。

すると、世界は深い藍色に変わる。

夜更かし上手の特権。

この非現実的空間を見るとなんだか心が落ち着く気がする。
気のせいかな?

今夜は藍色の世界に抱かれて眠ろう。

「抱きしめてトゥナイト」

俊ちゃん・・・LOVE・・

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2008年11月14日

岩男からの脱出

朝起きて歯を磨く時、ふと思う。
僕は今「磨くか、それとも磨かないか」の二者択一を迫られている。
もちろん磨く。

朝食を食べる前にふと思う。
僕は今「食べるか、食べないか」の二者択一に迫られている。
もちろん食べる。

その後トイレに入ってふと思う。
僕は今「出すか出さないか」の二者択一に迫られている。
もちろん出す。(痔の場合は少しためらう)

普段の社会生活で僕達は常に二者択一に迫られているといっても過言ではない。

常に実行か否かの選択に迫られている。

そして僕はこの二者択一に迫られた時、「実行」を選択する事により様々な経験が得られ人生が好転すると考えていた。

しかし、最近こんな事を考えていた自分に「なんて頭が硬いんだ。僕を筋肉マンのキャラクターに例えるなら岩石岩男だよ・・・」と思うようになった。

物事を肯定か否定か、あるいは信じるか信じないか等の二者択一に絞る行為は、自ら他の選択肢を削り落とす行為のような気がする。

そのテーマが何であれ、その二つの選択肢に自分なりの正解がある確立は非常に低い。


二者択一を例えるなら、「餃子の王将」に行って、そのキャッチーなネーミングから餃子しか無いと思い込むのと同じ事だ。

この世界は常に無限の選択肢と可能性に包まれている。

二択という選択の檻の外へ一歩踏み出す事が、自分なりの正解への近道なのかもしれない。

二者択一に迫られた時、下を見ずに空を見上げれば、そこには無限の選択肢が広がっている。

満天に輝く夜空の星のように。

宇宙を知る天才ホーキング博士はこう言いきった。

「常識とは偏見である」と・・・


これからは上を向いて歩いていこう。

頭がプリンになるくらいに・・・


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2008年11月06日

時を越える想い

とある深夜、僕達の暮らす地域で一番高い山「氷ノ山」に友達4人で登る計画を立てた。

暗いうちに車で登れる地点まで登り、夜明けと同時に紅葉を少し過ぎた山道を歩く。

薄暗い朝の空は薄い墨汁が染み込んだ様にまだらなグレーを保っている。僕達は非現実的な山道をただただ歩く。

途中山小屋に寄り道しながら2時間ほどで山頂に到着した。

山頂は登ってきた方角の逆側からの風が強く、汗ばんだ身体の体温をどんどん奪っていく。

「よし山小屋で休もう。」

僕達は山小屋で少し身体を休めることに決め、中で火を起こそうと格闘していたその時、友人のチンちゃんが一点を見つめ一言呟いた。

「ぼっ僕・・・エライもの見つけてしまった・・・」

「どうしたんだい」と彼の視線の先を見つめると、そこにはなんと今世紀最大の人の汚物「ウ○コ」が僕達を見つめているではないか。

「このフォルム・・・この威圧感・・・マチガイナク人の仕業だ・・・」

生後数日以内であろうそれはいかにも生々しく、登山者が身体を休めるこの聖域の真ん中でなぜこんな事が出来るのか!!!という怒りが僕達にこみ上げる。

しかも外にはちゃんとトイレが作られているのに・・・

最悪な気分である・・・

「もう山を降りよう・・・」

僕達は下山を決めた。

下山途中、「早いねー」と後から上ってきたハイカーの皆さんと挨拶を交わす。
僕は心の中で叫んだ。

「あれは僕じゃありましぇん・・・」


僕は朝の登山と言うのは、気持ちいいものだと勝手に決め込んで頑張って山に挑んだが、前述の諸事情によりこの経験は非常に苦いものとなった。

そして、人生のカラクリを再確認した。

「頑張るだけで報われるものではない。」

頑張れば報われるとよく言うが、僕はそうは思わない。

闇雲に頑張るのではなく、何が自分にとって幸せをもたらすかを感じとり、しっかり行動に移すことが大切だ。

今回の経験は苦いものとなったが、時が経てまた同じ友人と山を登ることがあれば、今回の苦い思いが笑い話になるだろう。

そう笑えた時、今回の苦い経験を喜びに変えられるのだと僕は想う。


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2008年11月04日

僕の右手

AM2:30 世界の片隅・・・

突然の体調不良・・・ 「のど・・・イタイ・・・」

結局眠れぬまま夜が明け、朝を迎えた。

発熱に加え、痛みで全く声が出せないので、僕はさすがに病院に駆けつける事にした。
朝食を作っていた母に、ジェスチャーで「喉・痛い・病院・行く」と伝えると、手話が得意な母の手先が一瞬動いた。

「母よ・・・耳は聞こえています・・・」


車で病院に向かいながらふと思ふ。
発熱の影響か、西田敏行氏の名曲「もしもピアノが弾けたなら」が「もしも言葉が話せたら」に変わってきている。

発熱に加え言葉が出ないという状況に、なんだかおかしな精神状態である。
もしかしたらマトリックスのワンシーンのように、僕達はこの世界を言葉という記号で解釈しているのかもしれない。言葉を捨てる事で物事の捉え方が変わるかもしれない。

そんな事を考えながら病院に到着した。そして、受付のオネーさんが笑顔で僕にこう言った。

「今日は耳鼻咽喉科は休みです ニカっ」

谷啓氏の代表的ギャグが僕の心にこだました。

「がっ ガチョーン・・・」

と同時に僕の右手も少し前後した・・・

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2008年09月25日

30歳の決断

初夏、友人のオオタクンが足毛を除毛した。

どうやら30歳を迎えた彼は、自分のファニーフェイスと足毛のギャップにコンプレックスを持っているらしい。

しかし、オオタクンの足毛を気にしていたのはオオタクン一人なわけで、周りの友人にとってはオオタクンの足毛など目にとまらない当たり前なもの。

足ツルツルの方が気になって仕方がない・・・

そして僕が「オオタクン・・・キミ・・・足ツルツルじゃないか・・・」と言うと彼の頬は薄紅に染まった。

結局のところ、コンプレックスを隠そうとする行為がコンプレックスになってしまうわけで、コンプレックスは客観的に見ればただの「個性」にすぎないのであろう。


先日髪をばっさり切った僕に彼がこう尋ねた。

「なぜ髪を切ったんだい?」

「髪の毛には人の念がつくんだよ、だから心を入れ替える時に髪を切るのは物理的に正論なんだ。リセットボタンみたいなものだね」


そう言うと満足げに彼はこう答えた。



「僕は足毛を除毛した事で悪い念を断つ事ができたよ・・・・」


彼はコンプレックスを克服した。

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2008年09月05日

全ては変わっていくもの

僕は少年時代プロレスに夢中であった。

先日ふとウェブ上でこんな動画をみつけた。

あの頃のプロレスも良かったが、今のこういうプロレスもホントに最高!

全ては変わり、過ぎて行く中で今ここにあるものを楽しんで生きよう。


http://jp.youtube.com/watch?v=f2UmLL6EE8M


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posted by YO-HEY!! at 19:49| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

僕のものナッシング!

「髪を切るズラ・・・」

今日の朝、一年半伸ばし続けてきた髪の毛を切る事を思いついた。

しかし、考えれば考えるほど
「せっかくここまで伸ばしたのに、ホントに切ってしまうズラか?」
などと否定的な気持ちになってしまう。

どうやら人間は、考えれば考えるほど保守的な気持ちが膨れ上がる傾向を持っているらしい。

今回に関しては、何かを手放す事に抵抗を感じているのだ。

しかしながら、人生という山を登る上でバックパックに入る荷物の量にはやはり限界というものがある。
人により持てる荷物の限界には違いこそあるものの、荷物を詰め込めばその分足取りが重くなるのは普遍的な事実。

そして、所有という解釈はただの錯覚に過ぎない。本来自分のものなどこの世には存在しないような気がする。
自分のものと錯覚しているものは本来誰のものでもなく、宇宙の全てがニュートラルな存在なのかもしれない。

そんな事を考えていると、伸ばした髪の毛に執着する事は所有という解釈への執着となんら変わらないように思えてきた。

「本当に大切なものを大切にするためには、荷物は少ない方がいい・・・ズラ・・・」


僕は今日、伸ばした髪の毛を躊躇なく切り落とした。


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posted by YO-HEY!! at 00:08| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月01日

さりげなく・・・

僕は飛行機が加速して飛び上がる瞬間がたまらなく好きだ。

窓から見える暗闇の中に灯る人の気配とか、掴めそうな雲の層とかそこに射す太陽の光とかまたは月の光とか・・・そういうのもこの上なく好きだ。

いつもあの時間は、テンションアゲアゲで窓の外にZOKKON-LOVEです・・・


しかし、周りの乗客を見回してみると、わりと皆さん新聞読んだりなんかしちゃって冷静なご様子。


心の中で「男なら空にロマンを感じろっ」と呟くのであるが、感性は人の数だけ存在するわけで、これも心の独り言となるわけです。

しかしよくよく見ると、みなさんまるで村上春樹氏の描く小説の主人公のようにシュールかつニヒルに横目で窓の外の景色を楽しんでおられる。


「こっ・・・これは・・・大人見というやつか・・・さりげない・・・」


やはり、大自然の造形美は誰の心にも響くものです。


僕は今30歳を目前にして、飛行機の窓から見える景色とすれ違うオネーサンの「さりげない大人見」を極めようとしている。


未だ答えの見つからない「さりげない優しさ」を極めるのと同時に・・・



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